大阪市鶴見区わらべ学童

指導員つれづれ
第109話
なりたい自分になろう!

毎年3月末に行う「進級式」を、今年も行いました。

その中で行うミーティングのテーマは、「なりたい自分になろう!」です。

「将来の夢でもいいんやけど、ちょっと遠いよなぁ・・・。もっと近い“今の学年のなりたい自分”について考えてみてん?」ミーティングを前に、そう呼び掛けました。

「新2年生」からはじまり「新6年生」まで。

どの学年にも「新」が付く初々しさの中、学年別のミーティングが始まりました。

新2年生も1年間の活動を通じて、「みんなの前で話せる」ようになりました。

少し尻込みしたり、声が小さくなってしまう子もいましたが、全員がみんなの前で話せました。

新3・4年生は、いよいよ始まる高学年活動への大きな期待と、初めて迎え入れる側になる意気込みを話してくれました。

新5年生には、「絆」について考えるよう促し、「頭では分かっているけど・・・」を、しっかりと表現できるようになった方がいいと働きかけました。

新6年生は、「最後の1年を悔いなく過ごす」と、みんなが話をしてくれましたが、「最高学年の責任とは?」を考える機会にもなりました。

「自信を持ちたい!」と話す子もいました。

「じしんっていう字は、漢字では自信って書くねんで。自分を信じてあげることやな。新しい事に挑戦しようとするとき、“頑張ってみようとする自分”と、“やめとこうってする自分”が、みんなの心の中で戦うわけや。その時に、しっかり自分を信じてあげて欲しいねん」と語りかけると、みんなが真剣に聞いてくれました。

「賢い人になりたい!」と話す子もいました。

「勉強ができて、100点とるのも賢いな。でも、それだけやったらタイヤが3個の自動車やで。なんか足らんわな。やっぱり自分の事と同じくらい周囲の事を考えてあげれる人は、賢いなって思うねん。こんなん言うたら相手はどう感じるか・・・とか、今それをやっていいのか・・・とか、考えれる人は、賢いよな〜?」と言うと、「賢いな〜」「けんかにもならへんな〜」という反応が返ってきました。

じっくり時間をかけて話をする中で、それぞれの成長を確認することができました。

「自信を持つ=自分を信じる」ためには、成功体験を大切にするしかないように思います。

1年生が2年生になり、「新1年生にやさしくしたい!」と話しています。

大人の手を借りずにできる事を、自分でできるようになるというリアルな成功体験こそ、子ども達が今求めているものです。

個性や自主性ばかりが重んじられ、絆の薄まりや協調性の欠如が危惧されている中、自分ができる事を教えてあげたり、頼りにされたり、当てにされたり、時にはその逆の立場を体験して感謝したり・・・、そんな体験が必要とされています。

子ども達の本音が脈を打ちながら、じんわりと伝わってくるようなミーティングでした。

人は、「なりたい自分」にしかなれません。

「なろう」とする意思は、周囲の家族や仲間から支えられ、励まされ、夢となり目標となり、努力や頑張りや辛抱を生み、自信をつけ、ようやくその子の姿として具現化するもの・・・なのでしょうね。

by.Sarusen


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