第117話 |
春一番が吹くように、春休みの保育イベントと、10名の卒所生を送り出した22回目の卒所式が終わり、静かな午前中の時間にデスクワークに取り組めるようになりました。
そこで、長い間放置してしまったコラムの執筆に入ります。すいません。
10名の卒所生と入れ替わりでやってきたのは、かわいらしい1年生たち15名です。
つい先日、それぞれが通い慣れた保育園を卒園し、いよいよ小学校へ入学した「新人小学生」です。
すごく不安だったり、とっても緊張していたりしていましたが、少しずつ「はじめて」の時間が過ぎ、学童の生活に親しんできている様子がうかがえます。
子ども達が「はじめて」なのですから、親御さんもまた「はじめて」の連続です。
弟や妹であったとしても、「その子」が「はじめて」である以上、親御さんだって「はじめて」だと思うのです。
不安がるお子さんの背中をそっと支えながら、お仕事中も「大丈夫かしら・・・」「ちゃんと、やっているかしら・・・」と、人知れず不安にかられておられたように思います。
お家では、どうでしょうか?
「はじめが肝心!」とばかりに「きちんとしなさい!」「早くしなさい!」を連呼されている親御さんはおられませんか?
または、逆にその言葉をグッとこられて、新たなストレスをジリジリため込んでおられる方はおられませんか?
「はじめて」はワクワク楽しいばかりではありません。
「はじめて」は不安だし、「はじめて」はドキドキするし、慣れないと焦るし、人の目が気になるし・・・そんなまっ只中の1年生と親御さんは、私たちから見れば「お互い様」です。
そんな今だからこそ、ハードルをグッと下げる事をお勧めします。
一番大切なのは、「元気」であること、そのために、きちんと「食べ」て、きちんと「出す」こと。そして、きちんと「休む(寝る)」こと。
学校のルールが急に守れなくても、忘れ物をしても、担任の先生に親子で「ごめんなさい」したら済むはずです。(笑)
ランドセルがからっぽで帰って来た我が子を見て、「笑ってしまいました〜」とおっしゃったお母さんがおられました。
もう拍手喝采を送りたくなりました。
だって親子で「はじめて」を楽しんでおられます。
ショックなのだろうけど、「笑うしかなかった」と話されるお母さんの表情に影はありませんでした。
「はじめて」に際して、失敗しない子はいません。
だったら、その失敗を受け止めるのが、大人の役割なのではないかと思うのです。
怒り飛ばしたい気持ちがわからないのではありません。
でも、深呼吸してみてください。
私自身、学童で25回目の春を迎えてはいますが、今年の1年生との「はじめて」の連続、真っ最中です。
その「はじめて」を、子ども達と味わい尽くしてやろうと思っています。
だって、子どもにとっても、私たち大人にとっても、一生に1度の「はじめて」なのですから。
by.Sarusen