大阪市鶴見区わらべ学童

指導員つれづれ
第68話
思い出を共有する仲間たち

毎年恒例の卒所旅行に行ってきました。

卒所していく6年生12名+見送り側代表5年生10名+指導員4名合計26名の大所帯です。

ずさんな準備と根拠のない自信、意識の開きが大きく「どうしよう・・・」と慌てる子と「行けば何とかなるやろ」と、高をくくっている子が半々。

それでも、様々な経験を積んでいるので、何とかしそうにも見えるし、「1人がコケたらみなコケる」という危険性も潜んでいる・・・そんな特徴をもったメンバーです。

準備段階の指導で職員は、子ども達がうまくいかないと聞いては悩み、うまくいったと聞いては不安になる・・・そんな毎日を送ってきたのでした。(笑)

子ども達の手帳が出来上がると、今度は、確認作業が待っています。

時刻表と照らし合わせたり、費用が予定の額と合っているか、手分けして点検していくのです。

失敗の先回りをしてフォローを考えておかなければ、大所帯の旅行では、すぐに機動力を失ってしまうからです。

当日、指導員の予想通り失敗もしますが、そこで子ども達が考えつくフォローが、すべて力技なのには閉口しました。

思えば、4年生旅行の際、間違ってひと駅分約5kmを1時間かけて歩かせてくれた伝説の学年なのでした。

「今年も歩くんや〜・・・」と、もう苦笑いするしかない指導員です。

バスがないと言っては歩き、時間がないと言っては小走りで・・・、指導員がさせようものなら、大ブーイングになりそうなものですが、なんせ自分達が決めたことですから、しんどかろうが、辛かろうが、黙々と案内係の後ろに続いて歩いて行きました。

宿の看板を見つけた時は、歓声が起こり、喜びを爆発させていましたが、そんな姿を見ると、「ちゃんと下調べさえしておれば、しなくてすんだ失敗じゃろがいっっ!!!」とは、言えなくなってしまうのです。

夜のミーティングで、「こんな多人数での旅行は、大人でも大変やで。良くまとまってるって、周囲の人たちも驚いてたで。人数が多くて大変やけど、その同じ思い出を共有している仲間がこんだけいるって、幼なじみがこんなにいっぱいいるって、すごくええよな。」と話しました。

卒所を控えた12名は、何を思い、何を感じたのでしょうか。

帰りの電車の中で、眠ってしまったのは、疲れた5年生が多かったようです。

6年生は、おしゃべりの花を咲かせたり、ひたすら窓の外を眺めていました。

ボキャブラリーの少ない彼らから、本心を引き出すのは難しいのですが、きっと「何やら寂しい」帰り道だったのではないかと思うのです。

ボソッと「卒所したくないかも・・・」と語ってくれた女の子の言葉が、指導員に対する最高のご褒美のように思えました。

卒所式まであと40日・・・待ったなしで時は過ぎます。

by.Sarusen


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