指導員つれづれ

☆第17話「春の風景」☆


わらべ学童に、今年も春がやってきました。

桜の花と共に、たくさんの1年生もやってきました。

先日、学童を巣立っていった中学にあがる子ども達も、今まで通りフツーに「おはよう!」とやってくるので、室内はごっちゃごちゃしている感じ、毎日くつばこもロッカーも、ほぼ「満員御礼!」状態です。(笑)

そんな中、春休みの恒例行事、誕生会を行ないました。

4ヶ月に1回の誕生会ですから、お祝いされる子が25名、お祝いする子が40名というかなり大規模なパーティーとなります。

みんなでケーキを飾りつけ、キャンドルを灯し、ハッピーバースデーの大合唱。

なんとなくいつもと違う雰囲気に、子ども達の表情がキラキラしています。

その後は、毎回恒例のビンゴ大会へ移りますが、春はいつもと勝手が違います。

そう!人一倍にぎやかで、それでいて自信なさ気な1年生たちが、たくさん「初参加」しているのです。

1年生には、上の子達がつきそい、番号を聞き逃していないかチェックしたり、「ほら、この列!もうすぐビンゴやなぁ♪」と教えてあげたりしています。

賞品は、いただきもののノベルティグッズや、バザーやイベントの時の残りを回しますが、敢えて全員分は用意しません。

時間的な問題などを配慮すると、10等までとなってしまいます。

だからこそ、みんな真剣になって、指導員が発表する番号を聞きながら、一喜一憂するのです。

今回も、「ビンゴ!!」のコールと共に、10等から順に発表が進み、3等〜1等を残すのみとなりました。

「さぁ!いよいよ残りのプレゼントは3個です!誰に当たるやろなぁ〜・・・37番!」「ビンゴ!」「ビンゴ!」「ビンゴ!」「えっっ!?」

なんと、最後は3人が一気に当たってしまいました。

1年生が2人、3年生の女の子が1人です。

「困ったね〜。どうやって決めようか?」と指導員がたずねます。

ついこの前まで2年生だったその女の子がどうするか、見ていると・・・「アタシ3等でいいで♪」と、さらっと言ってのけたではありませんか!

自己中心的な思いが強く、なかなか他の子に「どうぞ♪」ができず、周囲の子と揉める事も多かったその子の性格を知っている上の子達から、「おぉ〜っ!」と感嘆の声が漏れました。

一見単純なやり取りなのですが、その子の「いいで♪」には、お姉ちゃんとしての自覚や、下の子の気持ちを考えてあげた優しさや、譲った時の気持ちよさなど、大きな大きな変化が込められていたのです。

それを感じ取った上の子達もあっぱれです。

「今の気持ちに拍手やなぁ〜」声をかけると、「えらいなぁ」「よう言うてあげれたね」と、みんなが拍手してくれました。

照れくさそうな、それでいてどこか誇らしげな女の子の表情と、プレゼントの順位を譲ってもらって、とても嬉しそうな1年生の表情が、とても印象的でした。

新1年生の入所で、少しお兄ちゃん・お姉ちゃんになりつつある子ども達に、「ゆっくりと、素敵なお兄ちゃんお姉ちゃんになるんやで〜!」と、エールを送りたくなった場面でした。 by さるせん

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