指導員つれづれ

☆第18話「わらべはやっぱり一体感!」☆


先日の日曜日、毎年春に行われる一大イベント、「城東鶴見学童保育所合同親子運動会」が行われました。

城東区と鶴見区の学童が一堂に会し、子どもたちばかりでなく保護者の皆さんも、「かなり本気」で、そして「相当真剣」に、もちろん「正々堂々」と競い合う運動会では、毎年掛け値なしに感動的なドラマが繰り広げられてきました。

運動会でのわらべの目標は、常に「楽しんで一つになる事」です。

今年は、例年にも増して低学年の1・2年生が多いため、特に時間が必要でした。

競技の練習に時間が取れなくなるほど、時間をかけて、「ひとつになろう!」と、働きかけていきました。

「個の時代」と言われる昨今、全体の集中力を高めたり、足並みをそろえたり、掛け声を練習したり、応援の大切さを話したりと、「一体感」を作り出すのは、とっても時間がかかる事なのです。

1年生は、まだ入所から1ヶ月あまり。

未体験で「何かよくわからない運動会」より、レゴで遊びたいし、キックボードに乗りたいし、木登りしたいし、ごっこ遊びがしたいのです。(笑)

でも、「なんとなく楽しそう♪」と思えた子を中心に練習するようになり、お兄ちゃんお姉ちゃん達が頑張っている姿に刺激されて、どんどん真剣になっていきました。

2年生は、1度運動会を経験しているので、「次は・・・」という目標を持って取り組んでいます。

特に女の子たちの多くは、昨年、6年生のお姉ちゃんたちが、「一輪車競争」で大活躍する姿を見ているので、「初エントリー」して頑張ってきました。

3年生は、運動会の位置づけで「高学年」となるため、全種目に出場することができます。

それなので、モチベーションがぐ〜んと上がり、積極的に練習していました。

いつも下の子たちと遊んでいる子は、1・2年生と出場できる競技に希望を出し、お兄ちゃんお姉ちゃんと遊んでいる子は、「一緒に出よう・・・」と、上の子を誘っていました。

4年生は、名実ともに高学年となり、帰ってくるのが遅い5・6年生に代わって、出場する子をまとめたり、練習の準備や後片付けまで、中心に立って「俺やるわ!」「アタシ持って行く!」と、張り切っていました。

そして今までにはなかった、「力試しがしたくて、ウズウズしてます!!」という表情が見られていました。(笑)

5年生は、練習を繰り返していくうちに、「もっとこうした方が、早いんちゃう?」と、工夫するようになります。

時には、「それは反則やなぁ・・・(汗)」というものもありますが、指導員も感心してしまうほど、とてもよく考えていました。

6年生は、現役最後の運動会となるため、思い入れも人一倍強く、「精一杯やろう!」という雰囲気が全面に出ていました。

学校の授業数が多く、帰りがどうしても遅くなったり、習い事で忙しかったりする合間を縫うように、短時間で集中して練習していました。

また、下の子に対してはとても寛大で、1・2年生の練習風景を眺めながら、「かわいいよなぁ・・・」と、目を細めていたりするのです。(笑)

運動会は、「競争」ですから、どうしても「速い」か「遅い」かという価値観にとらわれがちになりそうなものですが、そうならないのは、そんな6年生の気持ちがあるからかもしれないと、何度も思わされた指導員でした。

指導員は、子どもたちの様子を見ながら、「いかに楽しく練習するか」を追及しました。

そのためには、「遊び」にならないと、意味がありません。

子どもたちが、ゲラゲラ笑いながら5日間という短い練習時間を過ごせるように、何ができるかを考えました。

そのためには、お父さんお母さんの協力が不可欠です。

子どもたちの練習の様子を伝えながら、「勝ち」より「一体感」を感じさせたいこと、仲間意識を育てたいことを話し、点数を気にせず、子ども達のがんばりを評価してあげて欲しいこと、運動会を通じて、子どもたちの成長を感じて欲しいと呼びかけました。

前日の練習には、多くの保護者の皆さんと、OB・OGが駆け付けてくれ、子ども達のサポートをしてくれました。

当日、お借りした小学校の校庭では、真っ赤な「わらT」を着た黄色ブロックが、弾けまくっていました。

声をふりしぼって全力で応援し、結果に関わらず大喜びし、出場した子を拍手で迎える・・・そんなお祭り騒ぎの時間が過ぎていきました。

応援したりされたりすることで、子どもたちの集中力は、暑さの中でも途切れることなく、いつも以上に力を発揮しているのではないかと思えるほど、まさに「120%」の状態が続きました。

最後の種目では、出場者も応援も、子どもも保護者もOB・OGも指導員も、わらべ学童全体が1つになったことを実感し、不覚にも涙がこぼれました。

打ち上げでは、その余韻を存分に楽しみ、子どもたちの頑張った姿、保護者がいかに本気になれたかが盛んに話され、「やっぱり特別賞ほしかったよなぁ〜」なんて言いながら、その宴は日暮れまで続きました。

よかったなぁ・・・こんなに真剣になれて。

よかったなぁ・・・みんなでひとつになれて。

ちょっとクールなのがかっこいい時代、こんな、「めちゃくちゃ熱く燃える日」があってもいいなぁ。(笑)

やはり誇るべきは、優勝という順位や結果ではなく、仲間意識や団結力でありたいな…そんな事を考えながら、後片付けをし、なんとなくさびしさを感じるくらい楽しいイベントでした。

参加してくださった皆さん、実行委員さん、競技運営を手伝ってくれたたくさんのOB・OGさんたち。

皆さんのおかげで、とても楽しい一日が過ごせ、また良い経験をつみ、大きな思い出を作ることができました。

本当にありがとうございました。 by さるせん

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