指導員つれづれ

☆第2話「ぴっかぴかのけん玉」☆


今回は、けん玉のお話をお届けしたいと思います。

雨が続き、室内で過ごす時間が多くなる季節を前に、1年生に新しいけん玉を渡しました。

それまで学童には、『誰でも使えるけん玉』が置いてあるので、1年生もたまにそのけん玉を使って、大皿をしたり、もしかめをやってみたりしていましたが、それはあくまでも『学童のけん玉』でした。

しかし、真新しく、まだ傷一つないけん玉は、『自分だけのけん玉』Myけん玉なのです。

ぴっかぴかのMyけん玉を手にした1年生は、「やった〜!アタシのけん玉やぁ〜♪」「ボクのんやぁ〜!」と、目をキラキラ輝かせて、けん玉を大事そうになでまわしていました。

そのあと即座に「もしかめしよ〜!」と、輪になって使ってみる子たちの側で、「ボクはなぁ、傷がついたら嫌やし、このまま大事に飾っとくねん!」という子が・・・。

それを聞いた指導員と周りにいた子は、「違うで!そんなん全然カッコよくないってぇ」「けん玉はな、いっぱい練習して、傷がついて、色がはげてるのがカッコイイけん玉やねんで〜!」と言いました。

「ふ〜ん・・・へへへ」と照れ笑いする飾っておきたかった男の子。

でもそんなことがあって以来、「飾っとく!」と言っていた子も交えて、「ボクもしかめ20回できた!」「アタシ、今日は全部で100回いった!!」と、けん玉大会の輪ができるようになりました。

そして、すごくかわいいなぁっと思うのは、「見て見て〜!もうこんなに傷ついてん♪」「○○ちゃんのなんて、もう色が、はげてきてんねんで〜!」と、傷が増えるたびに、逐一(笑)指導員に見せに来る事です。

1年生が夢中になって、毎日けん玉で遊んでいる姿に刺激を受けて、高学年も「俺も久しぶりにやろう」と、1年生の輪の中に加わって、高度な技を披露したり、余裕のもしかめを見せてくれたりしています。

見ている1年生は、「やっぱりお兄ちゃん、お姉ちゃんは、すごいわぁ〜♪」と憧れがぐんっと増すようです。

元はと言えば、ぴっかぴかだった6年生のけん玉は、色々なイベントに向けて練習したり、高度な技を習得したくて猛特訓したりしてきたので、傷だらけで、「何色やったん?」と思うほど、色もはげて、真っ黒に使い込まれています。

そんな高学年に憧れ、真っ黒なけん玉に憧れて、1年生たちは必死になって練習しています。

大事なけん玉に傷がついて、「見て!こんなに傷ついた♪」と大喜び・・・。

考えてみるとおかしな話ですが、それは、決して粗末に扱ったからできたものではなく、使い込んで使い込んでできた『カッコイイ傷』『勲章の傷』なのです。

私は思いました。

まだまだぴっかぴかの1年生のけん玉も、「カッコイイ技をキメたい!」「カッコイイけん玉にしたい!」と、どんどん使い込んでいくうちに、いつしか憧れていた『傷だらけのけん玉』となり、きっとその時には今とは逆に、1年生達から「カッコイイ〜!!」と憧れの眼差しで見つめられるんだろうなぁ〜っと。 by やまっち(えんちゃん)

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