指導員つれづれ

★第53話「選択枝」★


様々な背景から、「家庭学習支援サークル」なるものを思いつき、学童の保育時間外に希望する子ども達の学習を応援していこうと、保護者の皆さんにも集まっていただいて、意見交換を行いました。

子ども達の学力や学習環境について、関心の高い親御さんとのやり取りは、指導員にとってもすごく有意義な時間となりました。

そんな状況の中、子ども達の習い事全般について、いろいろと考えてみました。

周囲を見回してみると、子ども達の生活の場である家庭や学童保育から、習い事に出かける子は、少なくありません。

動機は様々なのですが、その動機によって、これまた様々な選択肢が考えられます。

1・2年生の間は、その選択肢の大半を握っているのは親御さんであり、また、握っていてほしいと思っています。

ところが、「お母さんが行けって言うし、行ってるねん」と子ども達が話すケース、つまり親御さんの方から、積極的に習い事を進めるケースが、少なくなってきているのは気のせいでしょうか?

「どうする?」「習うの?習わないの?」と、その判断を子どもさんに委ねてしまうのは、責任転嫁であり、極めて危ういものを感じてしまいます。

何が危ういのか・・・それは、子どもの判断で良い事とそうでない事の区別がつきにくく、子どもの力量を超えた判断は、往々にして、何かしらの「弊害」や「危険」などの「招かれざるハプニング」がついて回るという事です。

やはり、力量を超えるものに関しては、しっかりと親御さんの方で、責任を持って判断していただきたいと考えています。

誤解を恐れずに敢えて言うなら、時にはそれが押し付けであってもかまわない・・・とも思っています。

もちろん、押し付けるからには、「それなりのメリットを語って説得し、子どものモチベーションを切らさないように働きかけを続ける」という義務も付いて回りますが・・・。

一方、判断を子どもさんに委ねてしまう親御さんほど、お子さんがつまずいてしまい、一番助けがいる瞬間に、「あなたが習うって言うたやろ!最後までやりなさい!」なんてことになりかねないのも事実です。(笑)

一見、お子さんに責任を持って選択してほしいという願いも込められているようですが、はたして、その選択肢を前にした時、お子さんに判断する力量が備わっていたか・・・「選択には責任が伴うこと」や「選択の前後を見通す力」を身につけているのかどうかという検証が必要なのではないでしょうか?

さて、順当にいけば4年生を超えるあたりから反発を覚え、なかなか親御さんの思い通りに行動してくれなくなり、さらにやりづらくなってきますが、ここで正当な理由を上げて反発できたなら、その子の自立は一歩進んだと言えるのかもしれません。

この時期に差し掛かると、親御さんとお子さんの関係の中で、「やらせたい」ものより「やらせたくない」ものの方が増え、どういう規制をかけていくか、どこで手綱を締めたものか・・・と、悩んでおられる親御さんも多くおられるようです。

ある意味「豊かな国 日本」には、何をとっても数々の選択肢があり、子どもは自ら判断し、その判断が間違っているのかいないのか、戦々恐々としながらも、つかんだものを信じて進まねばならない時が、きっときっとやってきます。

そのためには、まず、「手本」や「見本」や「練習」がいると思うのです。

私たち大人は、自信を持って子ども達に押し付ける事ができ、子ども達の反発をがっちり受け止める事が出来ているでしょうか?

自分自身にも問いかけながら、子ども達と一緒に、新たな挑戦が始まります。 by.Sarusen

バックナンバーへ戻る

HOMEわらべ学童とは入所のご案内指導員のご紹介指導員つれづれわらべ活動記録よくあるご質問アクセスお問い合わせページトップへ