★第70話「ごめんなさい と ありがとう」★
近頃、子ども達の様子を見ていて、「ごめんなさい」をすぐに言える子は、「ありがとう」と言うのも早ことと、また、なかなか「ごめんなさい」と言えない子に比べて、大きなトラブルになる事が少ないことを感じる事が多くありました。
故意ではなくとも、ぶつかったり足を踏んでしまったりした時、笑ってごまかさずに、すかさず「ごめんね」と言えた方が相手も気持ちがいいし、「しゃあないな〜」と、相手を赦す気にもなれるのではないでしょうか。
では、言えない子の理由はなんでしょうか。
シャイな性格? 習慣が確立していない? 謝ったら負け?・・・様々な理由がある事でしょうが、例えどんな理由があったとしても、そこは「基本だからね〜♪」で片づけても良いと思っています。
以前、保育当番に入られたお母さんに、「形のお礼は要りません」と、お叱りを受けた事がありましたが、「こういう時は、ありがとうって言うもんなんだということを、形からでも教えたいのでご容赦いただけませんか」とお願いし、謝意を受けていただいた事がありました。
ご指摘の通り、子どものありがとうやごめんなさいは、心からのものかと言うと、ちょっと怪しい部分だってあるし、逆にそれが恥ずかしいくらいに露骨に表れてしまうのが子どもなんですよね。
強要もおかしいけど、だからと言って、やらなくて良いはずはない・・・そう思うのです。
引率で地域に出ると、時には大集団になるためご迷惑をおかけすることが多い、わらべ学童の子ども達ですが、「ありがとうございました!」「すいません!」と、気持ちよい挨拶をする子に注がれる大人たちのまなざしは、本当に優しく、世の中捨てたもんじゃないなと感じられる事が多くあります。
2月に実施した卒所旅行の際にも、旅先で出会った方々と、挨拶をきっかけに様々な交流が生まれ、旅行の楽しさに、さらに花を添えるような場面がたくさんありました。
そんな子ども達を引率している事が、つい誇らしくなってしまう指導員です。
学童では、食事やおやつの前には、必ず「いただきま〜す!」と、みんなで挨拶をします。
その前に、手をパチン!と合わせる子が多いので、号令と共に「手を合わせて〜!(パチン!)いただきま〜す!」となります。
学校で同じことをやって、「手を鳴らすのは行儀が悪い」と先生に叱られた子がいたようですが、もっと楽しく挨拶できたらな〜と思ってしまいます。
挨拶に含まれる「形」と「気持」・・・。
いつか「形」に「気持ち」を込めるためにも、練習が必要だと思います。
「挨拶をする事が恥ずかしいのではなく、挨拶ができない事が恥ずかしいんだよ〜」そんな価値観を育てていきたいと思います。
by.Sarusen
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