第115話 |
ある日、お昼時に入ったラーメン屋さんの、掛けてあった額に目が留まりました。
毛筆の書には、「育てたように子は育つ」とありました。
賛否両論あって然りのシンプルな言葉は、笑顔で書かれたかのような丸みを帯びていて、それでいて妙な説得力を感じました。
そうだよな・・・その通り!!(笑)
大人が見本となったり手本を示したりすることで、多くの事を吸収する子どもは、大人の真似をすることからその成長をスタートします。
それは子どもの目に映る大人の動作や反応にはじまり、いずれは考え方や取り組み姿勢、生き方にまで波及します。
「人は、なりたい自分にしかなれない」と以前に第109話で書きましたが、その「なりたい自分」の探し方にだって、大きな影響を与えます。
かける言葉や見せる反応に込められた「動機」や「想い」、「愛情」は、必ず子どもに伝わります。
育てるのに必要な言葉や行動のすべて・・・そう!「子どもの育て方」のヒントは、「大人の生き方」に数多く隠されている気がしてなりません。
いくつのヒントを見出せるかは、まさに大人次第でしょう。
「子は親の鏡」と言われるのは、きっとそのような理由からだと思えてきます。
皆さんは小さい頃、大笑いしながら過ごしていましたか?
家族や仲間を喜ばせたくて、アイデアを絞ったことがありましたか?
「よし!がんばるぞ〜っ!」と、ねじり鉢巻きで、一心不乱に打ち込んだことがありましたか?
逃げ出したかったり、避けたいような嫌なことが、たくさんありましたか?
それでも「負けるもんか!」と、乗り越えたことがありましたか?
経験に裏付けられた実力を手に、皆さんは大人になってこられ、いよいよ「生き方」を選択できる立場となりました。
子どもの資質や性格など、とかく大人の思い通りに行かない部分もあるでしょうが、「だから無理!」とあきらめるのか、そんな思い通りにいかない部分も含めて、「育てたように子は育つんやし・・・」としっかり向き合おうとするか・・・そんな運命の分かれ道が連続しているのが、子育ての本質なのかもしれません。
by.Sarusen